「ArtRageでアニメっぽいテイストで色を塗る」というのは、設定に気が付かないと思った発色がされなかったり、指定した色と塗っている色が異なってしまったりします。
ArtRageの色はどこで決定されるのか
まず、最初に理解しなければならない点がここです。
使用しているツールにもよりますが、ArtRageはカラーパレットの色がそのまま表示されるわけではありません。ArtRageの色というのは大体以下の要素で決定されます。
- カラーパレットで指定した色
- カラーパレットにあるメタリック効果
- キャンバスの設定
- キャンバスのライティング
- レイヤーのテクスチャ
- ペイント情報を元にした陰影
これが理解出来ていないと、赤を指定しても赤で色を塗ることが出来ません。
一つづつ説明していきます。
カラーパレットで指定した色
これは説明するまでもないと思います。左側にあるカラーパレットをクリックするとその色で描画出来ます。
カラーパレットにあるメタリック効果
左側カラーパレットの内周に存在している設定項目です。これが最初の曲者です。以下はどちらもInkPenを使用して描いた物です。
まず、Metallic 0%で描いた色がこちら。

次に、Metallic 100%で描いた色がこちら。

全く色が違います。
Metallicという項目はキャンバスに適用されるライティングと関係しているのですが、まずアニメっぽい絵を描きたい(指定した色で塗りたい)のであれば0%にしてしまいます。
キャンバスの設定
これも気が付かないと思った色を表現出来ません。
この項目は、メニューバーから Tools > Layer Options > Canvas Settings で開くことが出来ます。

まずArtRageは標準でCanvas Lightingが有効になっています。
水彩や油彩で表現をする場合、有効にすることで用紙やキャンバス地を表現したり、塗り重ねしたときの厚みを表現することが出来ます。この項目は後から有効にしても、ちゃんと効果が反映されますので、よく判らなければオフにします。
Canvas Color
白に設定しておきます。
Opacitity
背景を透明にしたい場合は0%にします。大抵白い紙に描くというのは普通の感覚でしょうから100%にします。
Metallic
用紙の光沢を設定します。邪魔なので0%にします。
Lighting Angle
ライトを照らす角度を設定します。Lightingを無効にしているので触る必要はないです。
Intensity
陰影の強さを設定します。これも0%にします。
Grain
描画に邪魔にならない用紙を設定します。Fine PaperかWatercoler Paperがお薦めです。
Grain Sizeは100%、Roughnessは50%にします。
レイヤーのテクスチャ
レイヤーにもテクスチャがあります。変わった効果を得たい場合に変更する必要がありますが、いまのところ考える必要はないです。
ペイント情報を元にした陰影
Canvas Lightingを無効にしているので、特に気にする必要はありません。有効にしている場合は、扱う画材によって厚みの表現が行われます。(例えばチューブから直接絵の具を出してパレットナイフで塗り広げる等)
だいぶ長い説明になりましたが、ここまで設定しておけばカラーパレットの指定通りの色で塗ることが出来るようになっているはずです。
ArtRageでは最も濃度を均一に塗ることが出来るのはInkPenとなります。
(アニメっぽい塗りの例)

アニメっぽく塗るならInkPenを使用します。
すこし効果を出したい場合や、淡い色合いやぼかしを多用したい場合はWatercolorを使用します。